明日、檀家さんの五十回忌の法要があり、それをご縁に、改めて浄土真宗における年忌法要の意義について、Q&A形式でまとめてみました。
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浄土真宗における年忌法要の意義

問1 浄土真宗における年忌法要とは、どのような意義のもとに行われる行事なのですか。

答1 浄土真宗における年忌法要とは、故人の命日に合わせて、故人を偲びつつ、仏様を敬い、仏様の教えに耳を傾けていく行事です。

問2 なぜ、故人の命日に合わせて、仏様を敬い、仏様の教えに耳を傾けていく行事を行うのですか。

答2 人の死ほど、「この世が縁起なる世界である」という仏教のかなめを、私たちに教えてくれる出来事はないためです。

問3 故人を偲ぶとは、故人への追善供養のことですか。

答3 追善供養とは、故人がより良いところに生まれるための行為になりますが、故人は阿弥陀様の働きの中にお生まれになっているので、私たちが追善供養をする必要はないのです。また、私たちのような凡夫には、故人をより良いところに生まれさせるだけの力は持ち合わせてはいないので、私たちは追善供養をすることは出来ないのです。

問4 では、故人を偲ぶとはどうすることなのですか。

答4 故人を偲ぶとは、私たちがどうあれば、故人は喜んでくれるか、安心してくれるか、ということを考えていくことでしょう。故人は仏様の世界にお生まれになっているわけですから、私たちもまた、仏様を敬い、仏様の教えに耳を傾けていくことが、故人が喜んでくれること、故人が安心してくれることに他ならないでしょう。したがって、故人の命日に合わせて仏様を敬い、仏様の教えに耳を傾けていくという年忌法要は、そのような行い自体が故人を偲ぶことへと繋がる行いである、ということです。